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【思春期】

ドブソン博士   ドブソン博士の一問一答

Q.55

マリファナの危険についてどのようにお考えですか。中毒性はないし、害はないという人もいれば、とても危険だとという人もいます。事実はどうなんでしょう。


A.

カンザス州トペカのメニンガー財団の精神科主任であり、トペカ退役軍人管理メディカルセンターの精神科主任補佐のハロルド・ヴォス医学博士によれば、マリファナの事実は以下の通りです。説明はいりません。

ヘロインなどの強い麻薬を使う人の90%は、マリファナから入りました。
癌の原因としては、マリファナ煙草五本で普通の煙草百十二本分の力があります
マリファナは三週間から五週間体にとどまり、脂肪細胞に蓄積されます。その間ずっと精神的肉体的に悪影響があります。

マリファナ吸引常習者は、体の中の脂肪細胞、特に脳の中にTHCという人体に毒である化学物質が蓄積するためにダメージを受けます。常習者が体から完全に毒物を排除するには、三ヶ月から五ヶ月かかります。

十代では、高度なレベルで思考の焦点をしぼり、集中し、創造し、学び、概念化する頭脳の部分は、まだ成長段階にあります。一定期間マリファナを継続的に使うと、これらの脳細胞の正常な発達が阻害されます。

コロンビア大学の研究によると、女性のマリファナ吸引者において、DNA(遺伝子を持つ化学物質)を破壊する細胞が急激に増加しました。また、女性の卵子は、マリファナから受けるダメージに特に弱いことが分りました。

コロンビア大学のもうひとつの研究によると、一年間に渡って一日おきにマリファナ煙草を一本ずつ吸ったコントロール・グループは、通常よりも白血球が39%少なくなりました。つまり、免疫システムがダメージを受け、感染や病気に対して抵抗力がなくなりました。

マリファナを一本吸うと、運転能力が41%落ちます。二本で、63%落ちます。このような事実を見れば、マリファナ合法化を唱え続ける人々がいかに非良心的かが分ります。

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Q.57

拒食症と過食症についてその意味を教えて下さい。こういう摂食障害の原因はなんですか。


A.

拒食症とは、ふつう女性の場合が多いですが、体を維持するために必要最低限ものさえ取ることを拒否する人のことです。普通50キロの体重の女性が、短期間に30キロまでやせてしまうこともあります。そして餓死しかけているのに、自分ではまだ太り過ぎだと考えているのです。

過食症とは、ちょうどその反対のパターンです。コントロールがきかないような大食いをして、その後吐き出したり、強い下剤を使ったりして自分をきよめるのです。拒食症と同じで、もし診断や治療を受けなければ、健康を大幅に損なうこともあります。

拒食症も過食症も、自分の人生を自分でコントロールしたいという切なる願いの表れであるというのが一般的な見方です。典型的な拒食症患者は、思春期後期か青年期初めの女性です。その人は普通、いつも「よい子」を演じて来た、従順な人間です。発達の段階で自分に力のないことについて感じた怒りや不満を内にためてきたのです。そしてある日、自分のことを自分でコントロールしたいという思いが、深刻な摂食障害として表面化したのです。少なくとも、その一点では彼女が自分のボスであることができたのです。拒食症の人は、肥満を憎み、友達から嫌われてしまうと考え、内心恐怖に捕らわれています。

思春期の娘をもつ親御さんは、十三歳の誕生日をすぎたら彼女の体重と行動によくよく注意されることを強く勧めます。摂食障害の正しい治療ができるかどうかは、生死を分けることがあるからです。

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Q.63
うちの家庭医は、13歳の息子を診察するときに、私(母親)を診察室に入れてくれません。それはいいのですが、私はお医者さんから、息子の言ったことを伝えてほしいし、息子の健康状態を教えてほしいのです。でもお医者さんは、「診察室で話したことは、親にも言えない」といいます。私がまちがっているのでしょうか。

A.

一般に十代の子は自分の体に神経質です。ことに親がそばにいると過敏になり、恥ずかしがります。ですから、検査の時にお医者さんと二人だけになるのは理解できます。しかしここで、より重要な問題は、母親であるあなたに息子のことを説明する責任がお医者さんにはあるのであり、この点では、お母さんはまちがってはおりません。同じような懸念を私に話された親御さんたちが、ほかにもおります。

ある母親は、14歳になる娘を小児科医に連れて行って身体検査をしてもらおうとしました。思春期らしい体つきになってきているのが分かっていたので、診察室に自分が入るのは娘が嫌がるだろうと思い、「お母さんは、待ち合い室で待っているからね」と言うと、娘さんは、こう答えました。

「あたし、一人で入りたくない。お母さん、一緒に来て」

お母さんは、入ろうとしなかった理由を娘に告げましたが、結局、彼女の言う通りいっしょに診察室に入ることにしました。

診察が終わった後、先生は母親のほうに向いて、「なんで入って来たんですか」と怪訝な顔をしたそうです。そして娘さんの前でこう言いました。

「お母さんには、ここまで入って来てほしくはないんです。私が娘さんに直接話をすべきです。私がどんな診察をするか、どんな薬を出すかは、お母さんの知るべきことではありません。
私が娘さんとどんな話をしたかも、お母さんとは関係のないことです。私の診察は、医師である私と患者さんとの間のことですから」

この娘さんは、反抗期の最中でしたので、お母さんは、お医者さんのことばは親としての権威を揺るがすものに聞こえました。「お母さんが子どもを監督する時期は、もう終わったんです。彼女には、自分のことを自分で決めさせてあげなさい」とでも言われたかの様でした。幸い、お母さんは、その医師の言葉には従わず、さっさと別の医者を探したそうです。

私は、このケースを何人かの小児科医に話して意見を聞いてみましたが、みなこのお医者さんと同じ意見でした。若者が、第三者のいないところで個人的に医者と話すことの重要性を説くのです。そうかもしれません。

しかし、子どもの診察には、親も除外し、その結果を伝えないという、この医師の意見に私は反対です。14歳の子は、まだ大人とは言えません。その年ならば、養育をし、その発達を見守るのはやはり親の役目です。医師が、十代の患者と二人だけで話す時間も必要でしょうが、そのことを誰に説明する責任があるかは、医師は決して忘れてはなりません。

加えて、もしお医者さんに信頼を寄せるにしても、そのお医者さんが、婚前交渉や未婚の若者が避妊具を使うことや、そのような事がらについてどんな考えを持っているかを、親は知っておいたほうがいいのです。あなたのお子さんのからだとたましいのことをゆだねるのですから、お医者さん選びにはよくよく注意して下さい。

現代の生活のペースは余りにも余裕のないものになったため、親はあらゆる種類の「専門家」たちに親の代理をさせるようになってしまいました。これは危険な徴候です。教師、教会の若者グループのリーダー、スポーツクラブのコーチ、塾の先生、カウンセラー、医師などは、子どもを育てる助けにはなりますが、親の代わりには決してならないのです。

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Q.257

私の子ども時代よりも、今の子どもたちの性的行動が活発なのはなぜでしょう? 人間の性欲は昨日今日に始まったものではありません。現代の性的だらしなさの原因は何ですか?


A.
性的だらしなさの蔓延には様々な要因がありますが、見逃せないのは、十代の視聴者向けに作られているテレビ、映画、ロック音楽などのふしだらな内容です。不道徳な娯楽が、しまりのない生き方を模範かのように十代の視聴者に見せ「みんなやっている」と教えるのです。伝統的キリスト教の影響が弱まっていることも、子どもたちの道徳観の低下に一役かっています。

行動科学の研究によって最近もう一つの要因が明らかになりました。オレゴン社会学習センターの研究班は「親の離婚が、思春期の子どもたちの性的退廃を促す直接的な原因になっていること」を発見しました。

研究者たちは、高犯罪率地域に住む201人の男子中高生を追跡調査しました。若くして性的体験をする少年たちは、親の側が離婚、再婚、また同棲者の取り替えなど、結婚生活における大きな変化を2回以上経験している場合が多いことを彼らは見い出しました。これらのふしだらな男子のうち、崩壊していない家庭の子は18%でした。対照的に、性体験をしていない男子の57%は、離婚を体験していない家庭の子でした。これら貞節な男の子たちは、平均すると親が変わるという体験を1回未満しかしていません。

女子青年に関する同じ様な調査が、ウィスコンシン大学の社会学者ローレンス・ウーによってなされました。2,441人の白人女性と1,275人の黒人女性を調査した結果、彼は、未婚の母になった女性群と、成長期に「親の離婚や再婚」を体験した人々との間には相関関係があることを見い出しました。

ウー教授は、離婚と再婚が子どもたちに及ぼすストレスは、未婚での出産という結果に直接反映されている、という結論を出しました。

「離婚、シングルペアレンティング、家庭の不和などは、子どもによくない」ということは多くの調査が明らかにしています。以上のような境遇にいる方々を批判するつもりはないのですが、同時に、しっかりした、二親のいる家庭がもっとも健全で、安定した社会の基礎であることを否定することもできません。

もし、以上のことが正しければ(それを裏付ける資料にこと欠きませんが)、私たちの政府の政策や行政機関は、伝統的な家族を優遇し励ますべきです。家族のきずなを崩し弱めるものは、何であれ疑ってかかるべきです。まさしく国の将来は、愛しあい強く支え合う家族がどれほどあるかにかかっているのです。

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Q.258

子どもは昔よりも早く成長しているように見えますが、それは事実でしょうか。またもしそうなら、この早さの理由は何でしょう。


A.

確かに事実です。統計的な記録を見れば、子どもは昔より背が高くなっています。恐らく、良い栄養、医療、運動、休養、そしてリクリエーションのお陰でしょう。そして、このより理想的な物理的環境は、性的な成熟をますます若い時期に起こす結果になっています。一人の子の思春期は、その子がある一定の成長に達した時に開始すると思われています。ですから、環境要因や一般的な健康要因が若者を早めに成長させているとすれば、性的な成熟も早まります。 例えば、1850年には、ノルウェイの初潮の平均年齢は17.0歳でした。1950年には、13.0歳でした。一世紀の間に、女性の思春期の始まりが4年早まったのです。米国では、1840年から1950年の間に、初潮年齢は16.5歳から12.9歳まで早まりました。更に新しい統計では、平均12.8歳になりました!そういうわけで、デートの開始時期や性意識が早まる傾向は、少なくとも部分的にはこの、早熟メカニズムの結果です。

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Q.259
性的な成熟がますます早まる傾向には、歯止めがあるのでしょうか。もしなければ、これからの子どもは、子ども時代の真っ最中に思春期を迎えることになります。性的な意識が心の成熟に10年かそれ以上も先立つようなことになれば、大変な問題になりそうです。

A.

可能性としてはあるかもしれませんが、恐らくそうはならないでしょう。実は、最近の調査によれば、性的な成熟傾向は、横ばい状態か、恐らくまったく逆の現象が起きています。1988年当時、初潮の平均年齢は、12.5歳にまで落ちていました。しかし、ダン氏とロバーツ氏との調査によると、1993年までに、この曲線が逆の角度に曲がり始めたのです。思春期の始まりは、再びわずかばかり遅くなりだしたのです。

なぜでしょう。恐らく、過去に十分な栄養と衛生状態が初潮の平均年齢を押し下げたように、やせたい願望と極端な運動ブームが、成長をいくらか遅らせているようです。多くの医者は、現代の若者のやせたい願望を憂慮しています。彼らによると、体重過剰であれ、骨と皮のような痩せ状態であれ、極端が人間の身体に益になることはほとんどないのです。

南カリフォルニア大学の著名な生化学者、サム・ベスマン博士は、私にこう言いました。
「肉体は、決して食べることをやめません。正しく食べさせてやらなければ、身体は自分を食べ始めます」 

それこそ、カロリーをとらなすぎる少女に起きることです。数年間も月経を見ることがないこともありうるのです。

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Q.260

思春期の中で、もっとも難しいのはいつですか? またそれはなぜですか?


A.

典型的には、18歳の時が親と子どもがもっともぶつかりあう時期です。しかし、子どもにとっては13歳と14歳が、通常いちばん難しい2年間です。

今まで経験した中で最大のプレッシャーを友だちから受ける時であり、自己不信と劣等感が最大限に達します。思春期の子の自尊心は、友だちに受け入れられるかどうかにかかっており、それはなまやさしいことではありません。

そういうわけで、自分で自分を「ばかで、落ちこぼれだ」と感じている人間には、ささいなつまづきやからかいが大変大きく映ります。そういうわけで、学校のバス旅行で誰も隣に座ってくれなかったり、大事なイベントに呼ばれなかったり、学校で一番人気のあるグループに笑われたり、朝起きて見たら新しい7つのにきびができていたり、「両想い」だと信じ込んでいた女の子に平手うちを食わされたりすることのショックは大変なものです。ある子らは、この種の人間関係のショックを十代の間ずっと味わいます。

児童発達心理学で高名な、コーネル大学教授ブランフェンブレナー博士は、米国上院の委員会で、子どもの精神衛生には、中学生の時期がおそらく最も重要だと述べました。
「人格が修復の余地のないほどに攻撃され破壊されるのは、自己不信の激しいこの時期である。それで、中学に入ったときには健康で幸福だった子が、2年後には心くじけ、失望しているのはまれなことではない」

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Q.261

思春期の初めの子どもたちの多くに重大な、友達からのプレッシャーに触れていただきたいのです。そのころの子がほとんど何にでも過剰反応するのはなぜでしょう?


A.

12歳、13歳の子が、あるときうろこが落ちたかのように突然周りの新しい世界に目覚めることはよく知られています。その世界は、震え上がるような同年齢の若者の世界です。

思春期の子にとって、友人たちに受け入れられなかったり恥ずかしい目に会うことは、死ぬより恐ろしいことです。この最大の危険が常に背景にあるため、思春期の子は大人の目にはまったく意味もないような行動をとります。友だちの群れを恐れるという心理を理解しなくては、この時期の子を把握するのは不可能です。

 私が中学校時代に会ったリサという子のことは今も忘れません。彼女はモダン・ダンスの授業を受けており、ある時全校の学生の前で踊るように言われました。リサは中学3年生でしたが、まだ第二次性徴期に達していませんでした。

ステージの上で演じ始めた時、考えられないことが起きたのです。つりひものないブラウスが突然脱げて、どこにもかかるところがなく腰まで落ちてしまいました。全校の学生が息を飲み、次に爆笑になりました。舞台はめちゃめちゃです。リサはパニックして、一瞬立ったまま裸の上半身を手で覆い、次に泣きながら舞台のそでに逃げました。

彼女は、何年たってもその心の傷から立ち直れませんでした。そしてそれ以来、彼女の「友だち」は、何かと言えばその話を持ち出したのです。

もちろん大人であっても、そんなめにあったら恥ずかしかったでしょう。しかしリサのような十代にとっては最悪でした。そのような恥ずかしいめにあった後では、生きていられないとさえ思うものです。

事実、毎年何千人ものティーンエイジャーが自殺しています。それくらい、十代は大切にされ受け入れられなければならないのです。同世代の友に馬鹿にされ、仲間外れにされた子は、大人になってからも立ち直れないことが多いのです。

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Q.262
お見受けするに、博士は中学生ことに友から仲間外れにされ、からかわれている子にとても思いやりがありますね。いつもそのようなお気持でしたか? 普通、大人はその年代の子どもたちそそばに寄りたくないものですが。

A.

思春期前半の子への私の関心は、中学校で教えていたころにさかのぼります。そのとき、私はまだ25歳で、科学と数学を教えていた250人の生徒たちが大好きでした。別の仕事につかなければならなかった時には涙をこらえるのに苦労したくらいです。ある子たちは、大変な痛みを経験しており、私もその苦しみを深く感じられるようになりました。例をあげて説明しましょう。

 ずっとあとのことになりますが、ファーストフード店で、私は車の座席でハンバーガーとフライドポテトをほおばっていました。たまたまバックミラーをのぞくと、見るからにやせて汚くて、みすぼらしい子猫が車の後ろにいたのです。お腹をすかせている様子があまりに可愛そうで、私はハンバーガーを千切って投げてやりました。ところが、子猫が手を伸ばす前に、大きな灰色の雄猫が茂みから姿を現わして、ごちそうをひっつかみ飲み込んでしまったのです。かわいそうに、子猫は背を向けお腹をすかせたまま、おびえながら物陰に逃げ込むほかありませんでした。

自分のかつての生徒たちのことが即座に頭に浮かびました。彼らも、あの子猫のように必要最低限のものもなく、迷っていたのです。いえ、食べ物のことではなく、彼らは愛と配慮と尊厳とに飢え渇いていたのです。彼らが正直になって自分たちの内側の傷を明らかにしたそのとき、より力のある少年たちに虐待され、ばかにされたのです。傷に塩を塗られた子たちは、怖じ気づいてさびしく逃げ出す以外にありませんでした。

大人として私どもは、成長に伴う痛みと今日の思春期の子たちが生きている熾烈な競争社会のことを忘れてはなりません。そのような若者に耳を傾け心を配り導くことは、最大の投資ではないかと私は思います。

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Q.263

子どもたちは、なぜそんなに過敏なのでしょう。一番精力にあふれた時期なのに、それほど人を恐れるのはどういうわけですか。他には何もこわいものがないように見えます。十代の子は狂ったように車を運転します。同年齢の者が集まるところではパニックを起こすなんてどういうわけでしょう。なぜそんなに互いを恐れるのでしょう。


A.

その答えは、パワーというものの性質、そしてそれが人間の行動にどう影響するかと関連していると思います。思春期の社会は、生のパワーのぶつかりあいです。それこそ、思春期の価値観の神髄です。それは、様々な形を取ります。

女性にとっては、姿形の美しさ以上の支配力はありません。飛び切り美しい若い女性には大変なパワーがありますから、男性でさえしばしば脅威を感じます。彼女がそのパワーを用いて、どのようにその支配下にいる者を脅かすかについては、それ自体が思春期の生態の面白い研究材料になるでしょう。

男子も確かに外見上の魅力からパワーを得ますが、ある種のスポーツで結果を出すことでもパワーを得ます。一番地位の高い男子とは普通、生の体力を誇示するスポーツ(フットボール)や大きさ(バスケットボール)を誇示するスポーツに秀でている者たちです。

若かった時、思春期の世界が自分の眼にどのように映ったかを、あなたは覚えていますか。毎日パワーを求めて争ったことを覚えていますか。それは競争のとても激しい、憎しみあう世界でした。人気のある(パワーのある)生徒から「いけすかない」とか「バカやろう」などと言われたり、大きな手を顔に当てられて、邪魔だとばかり押し退けられた時に感じた屈辱を今も覚えていますか。相手は、フットボールのジャージを着ていて、もしあなたが愚かにもやり返そうとしたら、フットボール・チームのみんなが寄ってたかってこてんぱんにのされてしまうのではないかという恐怖感がありました。

あなたは、そんなストレスは味わわなかったかもしれません。もしかしたら、逆にあなたは私たちを圧迫した、パワーのある少数派だったのかもしれません。しかし、あなたの息子や娘は、攻撃される側にいるのかもしれません。

数年前に、「中学生の娘が、毎日学校でいじめにあう」と言うお母さんに会いました。娘さんは、登校すべき一時間前に目覚めて、今日一日どうやって嫌な思いをしないで切り抜けられるだろうか、とベッドの上で考えるというのです。

一般的には、このパワーの争いは、思春期の男子にとって、より腕力にモノを言わせた形を取ります。いじめっ子は、弱い者に対しては文字どおり自分のやりたいようにします。それこそ、私が自分の中学高校時代で、一番はっきり覚えていることです。その時期、私は自分の縄張りを守るだけのために何度も喧嘩をしました。パワーこそが、唯一のルールでした。今の十代にとっても、そんなに変わりはありません。

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「ドクタードブソンの一問一答」の翻訳については、ファミリー・フォーラム・ジャパンがティンデール社から許可を得ています。

Excerpted from COMPLETE MARRIAGE AND FAMILY HOME REFERENCE GUIDE ・ 2000
by James Dobson Inc. Used and translated with permission of Tyndale House Publishers.
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