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ドブソン博士   ドブソン博士の一問一答
Q11.
子どもの性質について博士はなぜそういう確信を持てるのでしょう。子どもが悪を行う性質を持っていると結論する証拠はなんですか。


A.

人間の性質についての「取扱説明書」をまず見ましょう。子どもたちの創造者だけが、彼らをどのように造られたかを述べることができ、それは聖書に明らかです。

私たちは罪の中に生まれ、アダムから不従順な性質を受け継いでいます。ダビデ王は言いました。「罪ある者として母は私をみごもりました。」(詩篇51篇5節)すなわち、罪を犯す性質は遺伝したのです。

パウロによれば、これに影響されない人はいません。「すべての人は罪を犯したので、神からの栄誉を受けることができず」(ローマ3章23節)ですから、悪い友達がいてもいなくても、子どもたちは生まれながら反抗、わがまま、不正直、暴力、搾取、また貪欲に傾きやすいのです。人に教わる必要はありません。人間としての性質が自然に出てくるのです。

この見方は世俗の世界では軽んじられますが、裏付ける証拠は圧倒的です。これ以外に、どうやってこの地上のすべての社会にけんかっぱやく邪悪な人々がいる理由を説明できるでしょう。5千年を越す世界史は血なまぐさい戦争に彩られてきました。あらゆる人種、またあらゆる信条を持った人々が、何世紀ものあいだレイプ、略奪、放火、爆破、殺人を事としてきました。平和は、人が弾丸を込め直す一時の休息に過ぎませんでした。

2350年前にプラントは言いました。「死者のみが戦いの終結を知っている。」この言葉は、平和の君が来るまで真実です。

世界の始まりから国々が争い続けただけではなく、身近な所にも虐殺、薬物濫用、幼児虐待、買売春、姦淫、同性愛、不正直が気の滅入るほど横行しています。人々の性質が生まれつき善であるなら、どのようにこの様な悪の氾濫を説明するのでしょう。本当に、生まれつき良い性質にもかかわらず、人はこういう反社会的で不道徳な行動に堕落したのでしょうか。

もしそうならば、全世界でたった一つでも幼児期の善を維持した社会があってもよさそうです。どこにありますか。そんな場所が存在するでしょうか。程度の差こそあれ、どんな社会にも悪がはびこっています。性善説を唱える人々が期待するような調和を保った社会はどこにもないのです。なぜないのでしょうか。それは、その根本的な前提が誤りだからです。

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Q12.
では、この聖書的な教えが、親にとってはどんな意味があるのでしょう。何も悪いことをしていない赤ちゃんでも罪あるものと考えなさいということでしょうか。


A.

そうではありません。子ども達は、アカウンタビリティー(説明責任)の年に達するまでは、その罪について責任がありません。その年齢は、神のみが御存じです。

一方、子どもが反抗したりいたずらをしても、親は驚くことはありません。1歳半か、それよりも前にかならず起こることです。よちよち歩きの子どもがかんしゃくを起こすのを見たことのある人は誰でも、「性善説」がどうして広まったのかと当惑します。母親か父親が、かんしゃくというものはこうやって起こすんだよと、床に寝転び、ぐずぐず言い、けっとばし、泣きわめいてみせたのでしょうか。ちがうでしょう。子どもは反抗の模範を見せられる必要はありません。それは自然にやってくるもので、ただ人によって個人差があるだけです。

そういうわけで、親は、幼い子どもを訓練し、形作り、矯正し、導き、罰し、ごほうびをあげ、教え、注意し、教え、愛することができるし、そうしなければなりません。その目的は、こどもの人格を形作り、家族みながそのわがままの犠牲にならないようにすることです。

しかし、究極的にはイエス・キリストだけが子どもをきよくし、神様にとって完全に受け入れられるものとすることができます。それが、聖書の人間観であり、私の堅く信じるところです。

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Q13.
すべきことを説明してやるだけで子どもを従わせることが、どうして親にはできないのでしょうか。言うことを聞かせるために罰を与えたり、大きな声を出すことがなぜこれほど必要なのでしょう。子どもは、親の与えた規則を受け入れ、つまらない争いを避けることがなぜできないのでしょう。どうにも納得がいきません。

A.

子どものために長年働いてきて思うのは、彼らの反抗的な態度の一部は、人間の心に深く根ざしている、力に対する欲求に動機付けられているということです。とても幼い頃から、人に命令されるのを嫌がるのです。また、力と勇気とにあこがれます。そのために、ウルトラマンやロビンフッドなどの架空の人物が子どもたちに人気があるのでしょう。

子どもたちは、「うちのパパは、お前のパパなんかたたきのめせるんだぞ」というような威張り方をします。 (ある子は、そう言われて答えました。「それがどうした。うちのママだって、パパをたたきのめせるもん」)

  男の子にとっては特にそうですが、「誰がいちばん強いのか」は大問題です。新しいところに引っ越して来た子は、近所の子どもたちの中での自分の位置を確かめるために、言葉で、もしくは腕力で戦わねばなりません。普通は、ガキ大将が一人いて、他の子を従わせています。それから一番下には、負け犬がいて、みんなからいじめられます。その両極端の間にいる子どもだちはみな、自分がグループの中でどの位置にいるかを普通は知っています。

 この力への欲求があるため、子ども達は自分達のリーダーがどれほど強いのかを知りたいのです。大人の決意と勇気を試すという目的のために、子ども達は時々反抗をしてみせます。ですから、あなたが親であろうと、おじいちゃんおばあちゃんであろうと、ボーイスカウトのリーダーや教師であろうと、あなたの権威の元にある子どもたちの一人が、遅かれ早かれあなたのリーダーシップに挑戦してくることを私は保証します。

あなたに従わない子どもは、その態度によって「お父さん(あるいは、お母さん、先生など)は、僕に言うことを聞かせられるほど強くないんだ」というメッセージを伝えるのです。そのぶつかり合いを、あなたがどう処理するかを、他の子どもはみなじっと見ています。

あなたの反応によって、次のぶつかり合いがいつ起きるか、またどれほどひどいものになるかが決まるのです。

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Q14.
うち二人の子どもはかなり強情で、てこづっています。どうも親を試しているようなところがあって、こちらが厳しくしてやるととても満足します。なぜわざわざ親にガミガミと言わせるようなことをするのでしょうか。


A.

親と喧嘩することが楽しいようにみえる子どもがいるのは奇妙ですね。もともと喧嘩好きに生まれついたこともあるでしょう。子どもの多くは、自分の思うようにしたがりますし、ぶつかることを楽しんでいるようです。

しかし、もう一つ子どもの精神安定に関連した要素があります。これは例えですが、コロラド州の何百メートルもある深い谷にかかっているロイヤル・ゴージ橋の上をドライブしていると考えて下さい。初めての経験なので緊張しています。背中がぞくぞくします。

橋の両側には、ガードレールがないとします。どのように運転するでしょうか。きっと橋の真ん中を行くでしょう。両端ののレイルにぶつかるつもりはなくても、ガードレールがそこにあると知れば、より安心できるはずです。

子どもも同じです。はっきりと境界線があると安心できるのです。どんな規則があって、誰がそれを管理しているかを子どもは知る必要があります。生まれつき意志の強い子は、親の決めた境界線が動いたか、もしくは親に規則を守らせる気がなくなったように感じた時はいつでも、限界を確かめるだけのために親につっかかってくることがよくあります。彼らは、親には親としての権威を持ってほしいことは認めないかも知れませんが、あなたがその権威を示してやると安心するのです。

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Q15.
8ヶ月になる娘は私が下におろすと必ず泣き出します。小児科医が言うには、何も問題はなく、ただいつも抱いて欲しいから泣くのだそうです。十分にめんどうは見ているつもりですし、一日中膝に乗せておくわけにもいきません。そうしたら娘のご機嫌をとれるのでしょうか?


A.

泣くことは子どもにとっては重要なコミュニケーションの手段です。泣き方によって私たちは、子どもがお腹がへったのか、疲れたのか、何か不愉快なのか、おむつが濡れたのかを判断します。

一方、お医者さんも間違いではありません。娘さんがべそをかいたり、ため息をつくたびに抱き上げていれば、こうるさくて要求の多い子どもにしてしまいます。乳児でも強化と呼ばれる過程によって、両親を操作することを覚えます。

すなわち、気持ちのよい結果をもたらす行動は繰り返されます。ですから、健康なあかちゃんがかなきり声を上げることによって、お母さんを一日12時間もしばりつけてしまうことはありえます。

そうならないためには、赤ちゃんに必要な注意を向けることとお子さんをわがまま者にしてしまうこととを区別することが大事です。少しばかり泣いたからといって恐れる必要はありません(肺の運動にもなりますから)。よく聞くならば、わがままを言っているのか本当に助けを求めているのかは、多くのお母さんの耳にはすぐに分かるようになります。

娘が1歳の頃、私は娘を抱き上げる前に姿を隠して泣き声が下火になるのを4-5分待ったものです。それによって、私は涙ではなく泣きやむことを強化したのです。同じ方法を試してみてください。

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Q16.
私たちは、一歳の娘をなんとかうまく育てようと思っています。親が幼い子どもに適度な刺激を与えると知能がよくなると聞いたことがあります。それは本当ですか。もし本当なら、そのために具体的にはどうやったらいいのでしょう。


A.

親が子どもの知能を伸ばすことができることを、学者たちの研究は確かに示しています。この結論は、最初、著名なハーバード大学学齢期前研究プロジェクトが出したものです。バートン・ホワイト博士を長とする研究チームは、8ヶ月から1歳半までの子ども達を10年間に渡って追跡調査をし、健康で知的な子どもの発達に役立つのは幼い頃のどんな経験であるのかを見いだそうとしました。この重要な研究の結果を以下に要約してみましょう。

a. 人間の能力の基本的な要素は、8ヶ月から1歳半までの重要な期間に発見されることがますます明らかになっている。この短い10ヶ月の間に子どもが経験することがらは、他のどの時期にもまさって将来の知能の発達に影響を及ぼす。

b. 子どもの人生において最も重要な環境的要素は、母親である。ホワイト博士によれば、鍵を握っているのは母親で、母親は他のいかなる人や情況にもまさる影響を子どもに与えている。

c. 子どもに直接的に語られる「生きたことば」(テレビやラジオや、偶然耳に入る会話ではない)が、子どもの基本的な言語能力、知能、および人付き合いの技術の発達には不可欠である。「知能を発達させるには、子どもが1歳から1歳3ヶ月の間に母親がよく話しかけてあげることが一番である」と調査員たちは結論づけた。

d. 家の中を自由に歩きまわる自由を与えられた子どものほうが、行動を制限された子どもよりも早く発達した。

e. 両親と兄弟姉妹こそ、もっとも大切な「教育機関」である。優秀で健康な子どもを育てたいなら、家族メンバーのつながりを強め、互いのコミュニケーションを改善することである。

f. 一番よい親は、次の重要な三点で優れていた。
   子どもの環境を立案し整えることが上手だった。
   子どもが自分に近づいて来た時にたとい30秒でも話を聞き、慰め、情報を与え、また共に喜びを分かち合った。
   しつけには厳しかったが、同時に愛情を存分に注いだ。

時々、ファイルしておきたい貴重な情報が手元に入りますが、ハーバード大学学齢期前研究プロジェクトもそういう種類のものです。以上の6ポイントをぜひ忘れないようにして下さい。私は、健康な子どもを育てる鍵がその中にあると信じます。

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Q17.
ホワイト博士の調査結果は、子どもを保育施設に預けている親も応用できるものでしょうか。

A.

もちろんです。ただ、子どもが一日の大半を父母に代わる保母さん保父さんと接している場合は、困難やチャレンジがより多いとは言えます。

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「ドクタードブソンの一問一答」の翻訳については、ファミリー・フォーラム・ジャパンがティンデール社から許可を得ています。

Excerpted from COMPLETE MARRIAGE AND FAMILY HOME REFERENCE GUIDE ・ 2000
by James Dobson Inc. Used and translated with permission of Tyndale House Publishers.
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