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【小学生】

ドブソン博士
  ドブソン博士の一問一答
 
Q45.

私も妻も、平均以上の背丈で190センチと177センチです。それぞれの親も高いほうでした。ところが、娘はとても小さいのです。今9歳ですが、背丈順に並べば、前のほう3分の1に入るのです。この原因はいったい何でしょう。また、どうしたらいいと思われますか。

 
A.

子どもの成長に影響を与えるものはいくつかの要素が考えられますが、成長ホルモンの不足、遺伝、栄養、また全般的な健康状態などがあります。娘さんの背丈が伸びない理由を知るには、内科小児科の医師、または内分泌器官に詳しい先生に診てもらうことです。

よい先生であれば、娘さんの症状を正しく見極め、大人になったらどのくらいの身長になるかさえ予測することができます。ある子には、成長ホルモンが処方されるかも知れません。しかし、それはじかに診察する先生のお決めになることです。お子さんは9歳ですから、急いだほうがいいでしょう。なるべく早くしかるべきお医者さんにお見せになって下さい。

ところで、お子さんは、心配性のほうですか。

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Q46.
いや、実はそうなんです。ラニーはうちの子どもの中でも一番自信がなさそうです。なぜお聞きになるのですか。
 
A.

最近のある調査で、「心配性の女の子たちは、同世代の子達より背が低い傾向がある」という報告がされているからです。これはニューヨーク州コロンビア医科大学のダニエル・パイン教授その他の発見です。一番自信のない女子は、そうでない女子に比べて、大人になった時6センチほど低く、また156センチ以下になる確率が2倍だというのです。

大人になってから背丈が伸びない子どもに、二つの具体的な症状がありました。

1)分離不安 ー 友達のうちに泊まりに行ったり、キャンプに出かける自信がない子です。
(2)心配性 ー 何かの脅かしを受けたとか問題があって不安だというのではなく、何年にもわたって多くのことをいつも心配しているという症状です。

ある研究では、心配性の女子はストレスホルモンであるコルチゾールの血中濃度が高いという結果でした。これは、成長をさまたげるホルモンです。面白いことに、調査を受けた心配性の男の子たちは、コルチゾールの血中濃度が高くなく、また背も友人達に比べて低くありませんでした。ですから、ストレスに対しての女子の反応のしかたは男子とは生物学的にちがうのかもしれません。いずれの理由にせよ、女子においてのみ、心配性と成長の遅れに関連性があるのです。

くり返しますが、娘さんは医学的な検査を受ける必要があります。もっと明らかで、治療法のある原因のために成長が遅れているのかもわかりません。

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Q51.

7歳の息子が、つい最近動物に残酷なことをするようになりました。ご近所の犬や猫にずいぶんとひどいことをしているところを見つけたのです。もちろん私たちは彼を罰しましたが、それだけではすまないような気がして心配なのです。
 
A.

7歳の息子が、つい最近動物に残酷なことをするようになりました。ご近所の犬や猫にずいぶんとひどいことをしているところを見つけたのです。もちろん私たちは彼を罰しましたが、それだけではすまないような気がして心配なのです。

A. 動物に残酷な行為をするのは、専門家の診断をあおぐべき深刻な精神的問題の徴候であることがしばしばです。単なる一過性の問題ではありません。もしかしたら、何かの情緒的な問題の徴候で、解決には手こずるかも分りません。また性的な虐待にも関係しているようです。

  驚かせるつもりはありませんし、大げさに言っているわけでもありませんが、暴力的な犯罪を犯し続ける人間は、子ども時代に動物への虐待をしていたというケースがよくあるのです。これは、アメリカ人道協会の最近の研究によって確かめられました。息子さんを精神保健の専門家に見てもらうことをお勧めします。動物への残虐な行為は決して許してはいけません。

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Q58.
学校のカウンセラーに、「息子さんは、小児うつ病にかかっている」と言われました。息子はまだ7歳です。そんなことが本当にありうるのでしょうか。
 
A.

うつは、大人にしか起こらないとかつては一般に信じられていましたが、今はちがいます。ほんの5歳の子どもにも深刻なうつの徴候がみられることがあります。
 小学生の子どもに見られるうつの症状には、全般的に不活発であること、前は興味のあったことに興味を失うこと、睡眠障害、爪を噛むくせ、食欲不振、感情を激しく爆発させることなどがあります。その他によく見られるのは、お腹が痛いという訴えや、わずかな不満でも我慢できなくなることなどです。

もしお子さんがうつにかかっているのならば、それは、心を悩ましていることが外側にあらわれた一つの症状にすぎません。気持ちを口に出すのを手伝ってあげて下さい。お子さんが悲しみの気持ちを言おうとするでしょうから、感情を吐き出すような会話になるように手引きをしてあげましょう。言い表わす感情を、さばいたり軽んじたりせず、とにかく耳を貸してやって下さい。人に理解してもらうという経験は、大人にとっても子どもにとってもいやしにつながります。

もし症状がひどかったり、2週間以上続くようなら、学校のカウンセラーに相談するか医者に連れて行くほうがいいでしょう。どんな年令の人にも、うつが長引くと決していいことはありませんし、特に子どもには危険です。

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Q60.

私は30年間教師をしていますが、子どもたちの健康状態が目に見えて変わってきているのを感じます。肥満児が多くなり運動不足が明らかです。この感じは正しいのでしょうか。もしそうなら、この現象の原因はなんですか。

 

A.

まったく、おっしゃる通りです。オハイオ州のコロンビアこども病院で最近なされた調査では、「今の子どもたちは、ほんの15年前の子どもたちに比べても肥満で、コレステロール値とトリグリセリド値が非常に高い」という結果が出ました。
 研究者の一人ヒュー・アレン博士は言います。

「この傾向に歯止めがかからなければ、今の米国の8千万人の子どものうち、3千万人はいずれ心臓病で死ぬ」
アレン博士は続けます。

「子どもたちはテレビを消し、寝そべるのをやめ、アメリカがこれ以上バカげたまねをし続けるのをストップしなければならない」

問題は、脂肪分の高いジャンクフードが栄養ある食べ物にとって替わったことです。また、健康的な食事をしていても、子どもたちが取り入れただけのカロリーを燃やす運動をしていないのです。テレビを見たり車で出かけたり、コンピューターゲームで遊んだりファーストフード店で友だちと話すのは好きですが、昔のように跳ね回って遊ぶことをしません。

ですから、親が子どもたちと何かいっしょにできる活発なことを探すべきです。散歩、サイクリング、キャッチボール、ハイキングなどです。ソフトボールやサッカーなど、学校や地域のスポーツクラブに参加させることもできます。

子ども時代は一生の習慣が形作られる時ですから、よい食習慣と毎日の運動は、将来の健康に寄与することはまちがいありません。

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Q103.

原則としては、子どもをしつけなければならないことはわかりますが、正しいしつけをするにはもっと具体的な助けが必要です。親としての仕事を間違いなくするために、順序立てて教えていただけませんか。

 

A.

承知しました。応用できる6つの大きな原則を説明してみましょう。これらは私のしつけ理論のエッセンスです。

 1 規則を定める前によく説明する。

どのようなしつけの過程においても最も重要なステップは、前もって理にかなった期待と境界線を確立することです。子どもには、規則に対する責任を問われる前に、何が正しく何が間違ったことかを知らせるべきです。そうしておけば、事故や間違いやしくじりで非難や罰を受けて不公平だと子どもが感じることがありません。説明もしないで規則を押しつけてはいけません。

 2 反抗的に挑戦されたときは、自信を持って断固として応じる。

一旦子どもがなすべきことを理解したならば、その通り行動するように責任を取らせます。これは簡単に聞こえますが、既に申し上げた通り、ほとんどの子どもは大人の権威を攻撃し、その指導に挑戦してきます。反抗する瞬間、小さな子どもは親の思いを分かった上で無視するのです。戦いに向かう将軍のように、子どもは起こりうる危険を計算し、自分の兵隊を整列させ、火を吹く銃で敵を攻撃します。

そのような親子のぶつかりあいが起こったときは、親はきっぱりと勝たねばなりません。子どもは戦いを望んでいることを明らかにしたのであり、子どもを失望させないほうが良いのです。父母がその戦いを中途で放り出してしまうことほど、親の指導力にとって絶望的なことはありません。

親がそういう戦いにいつも負け、涙や金切り声やその他の欲求不満の印を見せていると、子どもが親を見る見方に劇的な変化がおきます。子どもの目に親が自信に満ちた堂々たる指導者としてではなく、尊敬や忠誠に値しない、骨なしクラゲと映ってしまうのです。

 3 意固地な反抗と、子どもじみた無責任とは違う。

意固地に反抗しない限り、罰するべきではありません。犬に餌をやるのを忘れたり、寝具の片づけを忘れたりゴミを出すのを忘れたり、テニスのラケットを雨の中に置き忘れたり自転車をなくしたりなどは子どもには良くあることです。これは、まだ幼い心が大人の心配ごとやプレッシャーを知らないからといってもよいでしょう。優しく教え諭してください。

我慢強く教えても応答しない場合は、よく説明した後で何らかの罰を与えるのが適当でしょう。(壊したものを弁償するために仕事をするとか、これからは使えなくなるとか等)しかし、子どもじみた無責任さは意固地な反抗とは異なるので、優しく取り扱うべきです。

 4 ぶつかりあいが終わったら、愛情を確かめて励ます。

親が厳しく指導した後では(特に子どもが涙を見せた場合)2歳から7歳の間の子どもは、あるいはそれ以上でも、愛し励ます必要があります。是非、両手を開いて抱きとめてやってください。

「いい子だね」と言ってあげます。優しく揺すってあげ「どうして叱られたのか、どうしたら次から叱られないですむか」を教えます。このコミュニケーションの時間は、愛と信頼と家族の一致を築くのに役立ちます。クリスチャン・ホームではその時に祈ることが大切です。私たちはみな罪を犯すのであり誰も完全でないことを、神に認めます。神の赦しを体験するのは、小さい子どもにとってもすばらしい体験です。

 5 できないことは要求しない。

子どもが実行できることを言いつけてください。うっかりおねしょをした、1歳前にトイレができていない、または、余りに早いうちから成績が悪いということで罰を与えるようなことはしてはいけません。こういう無慈悲な要求は、子どもを出口のない迷路に閉じ込めるようなものです。情緒的なダメージを受けることは避けられません。

 6 愛を指標とする。

  偽りのない愛情を持って育てるなら、親の失敗や過ちは避け得ないとしても、おおかた健康な親子関係を築くことができるでしょう。

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「ドクタードブソンの一問一答」の翻訳については、ファミリー・フォーラム・ジャパンがティンデール社から許可を得ています。

Excerpted from COMPLETE MARRIAGE AND FAMILY HOME REFERENCE GUIDE ・ 2000
by James Dobson Inc. Used and translated with permission of Tyndale House Publishers.
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