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結婚 
ドブソン博士
  ドブソン博士の一問一答
Q.393

特に問題らしい問題のない夫婦でも倦怠期が避けられないのはなぜでしょう。そういう時にはどうしたらいいのか教えて下さい。


A.

夫婦愛も一つの感情ですから、やはり来ては去ります。感情は、上り下りまた上りと揺れる傾向があります。下がった時にかつての熱い気持ちを呼び戻すよい方法の一つは、二人が熱く燃えていたころや出合いの場所のことを話題にすることです。相手に会うのが待ち切れず、一分が永遠のように思えた日々のことを思い出しますか。そういうころを思い出すことが昔の感情を呼び戻すひとつの方法です。

話すより良いのは、やってみることです。最近の結婚記念日、私は家内と、ふたりで昔よく出かけた場所を訪れました。ある晩、二人が二度目のデートをした場所に行き、同じレストランで食事をし、次の週にはのんびりした夏の夕べによく散歩をした場所に行きました。楽しい思い出を語り合い、若い時の興奮を味わいなおしました。素敵なひとときでした。

もう一つは、結婚前に二人でしていた遊びをすることです。人生には楽しみや笑いが必要です。そうでないと、退屈でつまらない毎日になります。

数年前、私たちは、最近どうも遊ぶことを忘れていたなと思い、一念発起して荷物を車に積み込みカリフォルニア州マンモスにあるリゾートに向かいました。そこでスキーを楽しみ、食べたり笑ったりして週末を過ごしたのです。ある晩は、暖炉を焚いて好きな音楽を聞きながら何時間も語らいました。青年時代に戻った気持ちがしました。

倦怠期かなと思ったら、若い頃の思い出を話し合い、なじみの場所を訪ね、なつかしい歌を歌い、昔話し合ったことをもう一度話題にしてみてください。ふたりを最初に引き合わせた情熱を再び燃す早道です。生き生きとした夫婦関係を維持するには、それなりに知恵を使う必要があります。植物も、水をやり陽を当ててやれば育ちますが、冷たくて暗いコーナーに置いておいたら死んでしまいます。ちょっとした努力と想像力で、結婚生活は再び精気を取り戻すことができるのです。

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Q.395

私は主人と何度も話し合って女性が男とはどう違っているかを話し、また私の必要を分かって欲しいと伝えましたが、なぜか主人は分かってくれません。腹の立つことは数えきれません。どうしたら私の気持ちを主人に伝えられるでしょうか。


A.

感情を伝えるのに効果的なのは「絵ことば」を描くことです。私の親友であるゲリー・スモーリーとジョン・トレント博士は「愛のことば」という著書でこの方法を説明しています。スモーリー氏は、
「家内は、ぼくに大変不満を持っていた」と言います。

事から帰ると、彼はいつもむっつりとしていました。一晩中口を利きません。妻のノーマはある時彼にこういう話しをしました。

「ある男が友達と朝飯を食べに行きました。お腹がいっぱいになったあと、パン屑を集めて袋に入れました。昼食になって今度は仕事仲間と立派なステーキをたいらげました。そしてまた残りのパン屑を袋に入れました。そしてその晩帰宅して、残りものの入った袋を妻に渡したのです」

「それが、あなたが私にしていることなの」とノーマは言いました。
「あなたが帰るときに話しをしたくて子どもたちも私も一日中待っているのに、あなたは口も利いてくれないの。一日仕事をして、夕方にはごみの入った袋をおみやげに持ってきて、あとはテレビを見てるのよ」 

スモーリー氏はその話しを聞いて、角材で打たれたほどの衝撃を感じたそうです。彼は悪かったと謝り、妻や子どもたちとの時間を楽しむ努力を始めました。あなたもご自分のニーズをご主人に分かってもらえる「絵ことば」を描いてみてください。その方が、責めことばを浴びせかけるよりも、男性の注意をひくのにははるかに効果があるはずです。

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Q.396

夫と妻が一緒に働いて24時間顔をつきあわせているのは健全だと思われますか。


A.

うまく行くときもありますが、個々の夫婦によります。典型的な例を申し上げましょう。

行動科学者の研究によれば、もっとも健全で性的にもマッチした夫婦は、「息をつく距離」のあるカップルだというのです。つまり、親しさと優しさを交す時の後しばらく離れ、また再会するというパターンです。

そういうわけで、夫婦が友人や同僚という第三者なしにともに働いたり、お互いだけに集中したりすることは必ずしも益にならないのです。お互いに違った興味を持ち違った行動をとることによって、短いあいだに互いを消耗させバーンアウトすることを回避できるのです。

結局、結婚はマラソンで短距離走ではありません。生涯の愛情を存続させるためには、夫も妻も再生システムを維持する必要があります。多くのことに健全な関心を持つことが、その方向への大きな一歩になります。

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Q.397

博士は、「夫婦は放っておけば、ますます親密になるより離れていく傾向がある」とおっしゃいますが、それはなぜですか。


A.

この宇宙のすべては、秩序から無秩序に向かいます。新車も、家に乗って帰るその日から確実に傷み始めます。あなたの体も、ゆっくりと老化し死につつあります。家も、何年かごとに修理し新しいペンキを塗る必要があります。注意深くマネージしないと、ビジネスもいつかゆるみ崩れます。空地におかれて長い間ほおっておかれたレンガは、やがてちりに帰します。実に、太陽や星もゆっくりと自滅しつつあるのです。言ってしまえば、特別に守られ改良されていないものは例外なく朽ち果てていく運命にあり、私たちは死につつある宇宙に生きているのです。

秩序から無秩序へというこの変化を統治する法則は「崩壊の法則」と呼べます(エンジニアや科学者は時にそれを「エントロピーの法則」と呼びます)。その影響を引き延ばし少しでも抵抗する唯一の方法は、創造的なエネルギーと頭脳的な計画とを維持すべきものに注ぐことです。
驚くべきことではありませんが、人間関係もこの崩壊の原則に従います。ともにいる努力を続けない限り、夫と妻も自然の傾向として離れます。

別の例を用いるならば、二人は波立つ湖面に浮かぶ二つの小船に別々に乗っているようなものです。一方は北に、片方は南に流れます。それこそ、夫婦が忙しすぎ、関心がそれて愛情を維持することができなくなるときに起きることなのです。二人の愛情をかきたてるため、また二人を引き寄せる経験をするために時間をとらないなら、大切な何かが消えていきます。もちろん防止策はあるのですが、一緒にいる努力をしないなら生活の流れはふたりを引き離してしまいます。

すべての新婚カップルが、この「崩壊の法則」を知り自分たちの関係を守る努力をするように願います。

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Q.398

最近の事ですが、職場のある女性が二度ほど、私にモーションをかけてきました。私は心から家内を愛しており、この女性には何の関心もありません。そのことは疑問の余地のないよう彼女に伝えたはずです。このことは、家内にも話したほうがいいものでしょうか。


A.

そう思います。

第一に健康な夫婦はそのような問題についても率直で正直に話せる関係にあると思うからです。

第二に、重要な情報を分かち合うことは危なくなりかねない状況においてアカウンタビリティーを築く一歩であるからです。

三番目には、困った状況について話し合い、対処の方法を考えるにはあなたの奥さんが最適だからです。

一つ注意するとしたら、あなたがこの告白を、奥さんのねたみを引き起こそうとか、操作しようという気持ちでしないようにすることです。ある人々は、こういう機会を利用して、妻や夫との主導権争いをしようとします。奥さんに話す前に、自分の動機をチェックして下さい。そして、事実をできるだけ客観的に伝えるのです。きっと、奥さんは感謝することでしょう。

最後に、言い寄ってくる職場のその女性がどれだけ魅力的であれ、また彼女が示してくれるあなたへの関心がどれだけ嬉しかろうと、すきを見せないことです。彼女に心を寄せることは、あなたのエゴが満足するかもしれませんが、彼女にとってもあなたにとっても行く先には苦痛と悲しみとが待っているだけです。

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Q.399

うちの家族は、確かに同じ屋根の下に住んで同じ姓を名乗っていますが、家族のような「感じ」がしません。こんな家族が、どうしたら「みんな一緒なんだ」という感覚を持てるのでしょう。意味のある活動をするには、どうしたらいいでしょう。


A.

いい方法は家族の伝統をつくることです。私が言う意味は、くり返しされるイベントや何かの行動で、特に子どもたちが楽しみにし、家族が親しみを感じあえる時ということです。

私どもの家庭で、休日にまつわる伝統といえば、食べ物です。毎年感謝祭とクリスマスには、婦人たちは、すばらしい七面鳥のディナーを準備します。その時のもう一つのお気に入りは、アムブロシアという名前の果物のお菓子で、薄切りのオレンジやグレープのはいったものです。前の晩には、家族皆でグレープの皮むきをします。この二つのお祝いは、家族皆にとって素晴らしい時です。一日中笑い声があり、親子がふれあいます。私たちがそのお祭りを心待ちにするのは、単に食べ物だけのためではなく、そこに集まる家族のやりとりのためでもあります。

他の休日にも、それなりの食べ物を決めてあります。新年には、理由はよく分からないのですが、大きな赤みのハムといっしょに少なくとも8時間は煮たまだらの豆と、コーンブレッドそして小さなたまねぎを食べます。これが、たまらないんですよ。

7月4日の建国記念日には、30人かそれ以上の友達を招いて、ハンバーガーのバーベキューや焼いた豆を出します。これが、花火見物や楽しい笑い声の前奏曲になるのです。

ほかにも、たくさんの「伝統行事」があります。感謝祭の食事の直前に、私が聖書を一節読んで、家内が冬の厳しさを乗りこえさせて下さった神に感謝をささげた開拓者のピューリタンたちの話をします。それから、皆にインディアン・コーンをふた粒配ります。それは、その年一番感謝していること二つを象徴しています。

バスケットが回され、コーンをそこに入れながら、その年に神様から与えられたふたつの豊かな祝福について話します。その感謝には、当然ながら子どもたち、おじいちゃんおばあちゃん、その他家族のことが含まれます。バスケットがテーブルを巡る時、感謝と愛から出て来る涙でみなの目がうるんできます。一年のうちでも一番美しい時間とも言えます。

伝統行事の持っている偉大な価値とは、家族としてのアイデンティティと所属意識を与えてくれることです。私たちはだれも、「自分は一つの家にいっしょに住んでいる忙しい一集団の単なる一部なのではなく、自分の個性と性格と遺産とを自覚している、生きた家族の一員なのだ」と切に感じたいのです。

それこそ、現代の家族の特徴である孤独感と疎外感への唯一の解決です。

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Q.400

主人はいい人ですが、子どもに腹を立てると後になって後悔することを口走ることがあります。不用意なことばに気をつけるように注意したいのですが、何かいいアイディアはないでしょうか。


A.

心理学者で著述家でもあるアブラハム・マスローは、言いました。
「親が子どもに対して使う一つの批判的なことばを埋め合わせするには、9つの肯定的なことばが必要だ」

これは本当だと思います。普通の人間は、批判や拒否のことばには否定的な応答をするものです。逆に、ある者は、人から認められるためなら何でもしようとします。

甘いことばでだまそうとしてくる人には、子どもは特にもろいのです。ある人が言いました。

「ほめことばを巧みに使って子どもの注意を引く者は、子どもを思い通りにしてしまう」

それが、薬物業者、やくざ、または何かの危害を加える者であるかも知れません。悪事を企んでいる者は、ほめことばを上手に使って、孤独な子どもをたぶらかす術を知っています。実は、変質者たちが子ども達に性的ないたずらをするときにいつも使う手口がこれなのです。

常習者になると、子どもがいっぱいいる部屋に入れば、大人から注意を向けてもらいたがっている子どもを即座に見抜けるそうです。そういう必要を抱えている子どもを、5分以内で自分のいいなりにできると言います。

人は皆、愛と所属意識と親愛の情に対する深い情緒的必要を抱えています。あなたがお子さんの中にあるそういう渇望に答えてあげなければ、必ずや誰かがそれにつけ入ってくるのです。

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Q.401

男女の心にはどんな違いがありますか。また、その違いは育ちや社会の影響でしょうか、それとも遺伝でしょうか。


A.

男女のちがいのあるものは、育ちによるものであることは疑いありません。だからといって、両性を理解しようとする時に、遺伝や生理や生まれつきを無視してしまうのは愚かです。60年代70年代の急進的フェミニストは、「子どもを生む能力以外に、男女の違いはない」などという考えを売り込みましたが、何の根拠もありません。少なくとも部分的には遺伝と思われる両性の違いを、いくつかあげてみましょう。

女性の生殖能力は、より安心と安定を求める傾向の根元です。言い換えると、子どもに責任を感じるので、女性には将来的なリスクを負いギャンブルをする傾向が少ないのです。個々の情況によって違いはありますが、男女の間にある健全な相違が興味をそそります。

男性は、興奮、変化、挑戦、不確定さ、そしてリスクのある投資による大きな見返りに引かれます。女性は、予測性、継続性、安全、ルーツ、人間関係、また、より安全な投資によって少ない見返りを得るほうが好きなのです。このコントラストが、夫婦にとって最善の結果になります。妻は、夫の衝動的で愚かな傾向に歯止めをかけ、夫は、妻に新しいものへの関心を持たせ、極度に臆病な彼女を、広い世界へといざないます。

医学も、男女のユニークさから来る様々な違いをすべて見い出したとは言いがたいのです。男女が互いに補足しあうあり様に、創造主の知恵を見ます。

関連していることですが、女性は自分の家に示す愛着の強さでは夫を凌ぎます。女性は、家の雑事、家族の動きなどに夫より関心を持つのが普通です。

卑近な例を上げましょう。ある時、私どもは、庭にガスのバーベキューセットを設置しました。配管工が仕事を終えて帰ってから気づいたのですが、セットが20センチほど高すぎました。器具を見て、私は言いました。

「確かに、業者の失敗だ。こりゃあ高すぎるね。ところで、今日の晩ごはんは何だい」
シャーリーの反応は、劇的なほどちがいました。

「あんなに飛び出ててるバーベキューセットなんて、使い物にならないわ。あたし、どうも我慢がならない」

この差は、家庭についての男女の感じ方の違いの典型です。

男女は、競争心についてもちがいます。もしウソだと思うなら、ピンポンやモノポリー、ドミノやバレーボール、テニスなどのゲームに、男女がどのように向かうかを観察して下さい。

女性たちは、友だちと知り合い会話を楽しむためにイベントを使います。ところが男は、そんな生半可な態度はとりません。もし招いてくれたお宅での楽しい集まりであったとしても、額の汗を見れば男の真剣さが分かります。こういう競争心は、すべて親の育て方によるとされて来ましたが、私はそうは思いません。テストステロンと男性の脳の働きです。

「脳:最後のフロンティア」という本を書いたリチャード・レスタク博士は言いました。
「5歳児の誕生日パーティーで、髪をひっぱりパンチを食らわせ、食べ物で友だちを汚すいたずらをするのは、普通は女の子ではなく男の子です」

すでに申し上げた通り、男女の性格の違いなどないとする努力が、過去30年間なされてきました。レスタク博士が書いたような行動は、育て方のせいで修正可能と考えられました。それで、男子が人形やままごとセットで遊び、女子はトラックや大工遊びをするように言われましたが、効果はなかったのです。強烈なフェミニストの母親には残念でしたが、少年はがっかりするほど男性的になり性の垣根を取り払おうとする「トレーニング」では、それを変えられなかったのです。
最後に、個人差はあるものの、ほとんどの女性には母性本能があります。不妊の女性には、子どもを生みたいという願いがあります。母親になれないという強い不満を表現した手紙を私は常に受け取ります。そういう願いには、確かに社会的な影響はあるものの、むしろ女性の身体と生理に根拠のあることです。

以上は、ほんの一例ですべてを網羅してはおらず、また科学的描写でもありません。しかし、こんな皮相的な説明からも明らかなように、神は一つではなく二つの性を造られたのであり、神は手袋が手にフィットするように男女を互いを補いあうように計画されました。どちらが優るのではなく、どちらも個性的です。

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Q.402

男性と女性の生理的情緒的なちがいについてのお話でしたが、男女でそれぞれにユニークなその他の身体的な相違について教えていただけませんか。


A.

違いは無数にあります。その多くは一般に意識されていません。以下はそのうちのほんの一部です。

1 恐らく遺伝子のパターンの違いから、女性の方が本質的にバイタリティーに富んでいる。米国では、女性は男性より3、4年長生きする。子宮内でさえ、女性は男性より生存率が高い。女子100人につき、男子140人が母の胎に宿り、出産までには100対105にまで落ちる。つまり、残りの男子は自然流産に終わる。

2 良性腫瘍、婦人の生殖器の病気、乳癌の三つを除くほとんどの病気で、男性の死亡率が高い。

3 男性は、女性より基礎代謝が高い。

4 骨格の構造がちがう。女性の方が頭骨は短く顔は広くあごはひっこみ、足が短く胴は長い。普通、女性の手の人さし指は薬指より長く、男性はその逆である。男性の歯は女性より長持ちする。

5 女性の胃と腎臓と肝臓と虫垂は男性より大きく、肺は男性より小さい。

6 男にない女性の機能は、月経、妊娠、授乳である。これらはすべて女性の行動と感情に影響する。女性のホルモンのパターンは男性より複雑でバラエティーに富んでいる。同じ腺が、両性では違った働きをする。

例えば、女性の甲状腺は男性よりも大きく活動的。妊娠期と生理中には膨張する。そのため女性は甲状腺腫になりやすく、寒気に強く肌はなめらかで、体毛は少なく美容上に大切な要素である皮下脂肪の薄い膜にも関係がある。また情緒的に繊細であり、女性はよく笑いよく泣く。

7 女性の血液には水分が多く、赤血球は20%少ない。赤血球は体細胞に酸素を供給するため、女性は疲れやすく気絶しやすい。女性の本質的バイタリティーとは長期的に見たときのみの話である。戦時下のイギリスの工場で、就業時間が10時間から12時間に延長されたとき、女性の事故は150%増えたが、男性の事故率はそれほど変わらなかった。

8 腕力で、男性は女性に50%勝る。

9 女性の心拍は男性より早く(男性の72に対して80)、血圧(男性より10ポイント低い)は毎分異なるが、少なくとも更年期後までは、高血圧になる傾向は低い。

10 女性の肺活量は、7対10の割合で低い。

11 女性は、男性よりも高温に耐える。新陳代謝の弱まり方が少ないから。

12 遺伝子の組み合わせが違うため、男女は細胞すべての中味が異なる。遺伝子の構成要素がもたらすものは、明白なものから微妙なものまである。例えば、ある研究者が高校や大学のキャンパスを訪れて、両性の行動を調査したが、男女は本の運び方からして違った。男子は腕を上から本に巻き付け、脇に抱えた。女性は対照的に、赤ちゃんを抱くように胸の所に抱いた。

意識しないところで男女間にどれほどのちがいがあるのか、だれも推測できません。

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Q.403

妻も私も引退の年に近づいています。私たちは経済的には祝福されてきました。いくつかの大きなビジネスとかなりの不動産を3人の子どもたちに残すことになります。多額の財産を次世代に残すことについて、先生はどうお考えになりますか。気をつけるべき点はありますか。


A.

この話題についての私の見解は、耳ざわりが悪いかも知れませんが、私自身が観察したところと信念を申し上げる以外にないでしょう。

端的に言って、自ら汗水流すことなしに大金を手にすることは危険だと思います。「裕福な子どもたち」と題された社会学の研究結果がしばらく前に発表されましたが、私の懸念を裏書きするものでした。著者は、「多額の信託財産は、相続者にとって普通はよいことがない」という結論を得ました。引用されたケースは説得力のあるものでした。

歴史もまた、お金の危険についてあかしします。男も女も金をむさぼり、そのために殺人を犯し、命を落とし、永遠のいのちを失ったのです。お金のゆえに友情は引き裂かれ、奢る者や力ある者が倒れました。そして、数え切れない家庭が見るも無残に崩壊したのです。

また、お金ほど兄弟の仲を引き裂くものもありません。莫大な財産を相続したため家族の中に緊張と不和が生まれる確率は高まります。息子さん娘さんは残されたビジネスをめぐって争い、決定権を委ねられた人を恨むでしょう。責任ある生活をする意欲を失い、ギャンブルやアルコールなどの中毒症状にはまる人もいるでしょう。このような否定的結果には、もちろん例外もあり、富と権力とを上手に取り扱う人々もいます。しかしこれはよく行っても困難な仕事であり、最高度の成熟と自制心とが要求されます。

 「子孫に残す多大な財産は、愛する者たちに及ぼす危険に見合うだろうか」と自問すべきです。あなたご自身が成功するために勤勉に働き、節約し、貯蓄し、築き、額に汗して生産に従事したという苦労を、ご子息方には味わわせたくないのかどうかをまず決めなければなりません。彼らが自分を鍛練し勤勉に働くという必要を感じず、出来合いの事業を引き継いでその処置を誤り、乱費してしまうとしたらどうでしょう。

この見解は人気はないことは承知しています。人が懸命にはたらく理由の一つは、子どもたちに苦労させたくないからです。子どもを愛する余り、安楽な人生を歩ませようとします。それに、一生をつぎ込んでビジネスを発展させ富を築いたのに、それを売り飛ばして自分は消え去るというのはどんな親にとっても愉快な選択ではないでしょう。

もちろん自分の財産をどうするかは、自分で決めねばなりません。私のできるのは、ただ自分の見た通りをお知らせすることです。私の経験では、富の相続は家族関係、自制心、信仰心また責任ある社会人としての生き方を危うくするきらいがあります。もし相続させるなら十分に注意し、何年もかけて準備し、祈り深くなすべきです。

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「ドクタードブソンの一問一答」の翻訳については、ファミリー・フォーラム・ジャパンがティンデール社から許可を得ています。

Excerpted from COMPLETE MARRIAGE AND FAMILY HOME REFERENCE GUIDE ・ 2000
by James Dobson Inc. Used and translated with permission of Tyndale House Publishers.
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